冬の商戦でも不発に終わり、今井科学は膨大な在庫を抱えていたものと思われる、
年明けて昭和44年日本模型新聞の新年号に今井科学の新年挨拶、広告等の記事は一切ない、
まあ普通では考えられないのである、必ず各メーカーの新年挨拶、広告は載る、もちろん他のメーカー等の社
長の挨拶、広告は載っているが、今井科学は載っていない、それどころではなかったのでは、
あくまでも僕の憶測ではあるが、年末の手形決済等の金策に走り回っていたのではないのかと、
そう、手形決済は月末に集中している、特に年末ともなると1年の中でも一番集中している、
すでに取引銀行あたりではその危機的状況を把握していたのでは、
どれくらいの支払いの手形金額が回ってきたのかわからないが、相当な金額だったのだろう、
その手形の決済を免れるたけには、「依頼返却」しかない、ただ、それは最後の最後の手段、
それを取引先等に頼み込んでいたのではないのだろうか、
その手口でなんとかとりあえずは切り抜けたのではないのかと、これはあくまでも僕の憶測であるが、
そして、44年の記事の最初にあらわれるのが次の記事である、
そう、水物作戦展開へ、という記事、この2月17日帰り44年の今井科学に関する最初の記事、
年末の危機的状況からとりあえずは脱したものの ?、今後の方針を画策していたものと思われるのである、
次の記事を読んでみると、
大安売りの記事が載っている、5割引き、75パーセント引き、
某有名メーカー製品とあるのは、おそらく今井科学ということだろう、他には考えられない、
何のプラモを大安売りしていたのかこの記事ではわからないが、推測すればサンダーバード、キャプテンスカ
ーレット、マイティジャック物だったのではないだろうか、
時すでに遅し、キャラクター、マスコミ物から撤退した今井科学は、夏物、オリジナル物、スケール物へと方向
転換していくが、
このように、オリジナル物、スケール物を重点的に展開していくことになるが、あまりにも急な企画でもあった、
しかし、それらが無謀であっても今井科学としてはとにかく前へ進んでいくしかなかった、
<続く>